足首を捻挫した後のリハビリでやるべきこと

2017年09月10日(日)11:09 PM

皆様こんにちは。

いつもありがとうございます。

 

足首を捻挫した時は、足首の靭帯を痛めてしまい、歩くのも辛くなります。しかしただ足首の痛みがなくなれば運動を再開してよいかというと、そんなに簡単ではありません。

 

今回は足首を捻挫した後のスポーツリハビリについて注意したいことを紹介します。

 

 

足首を捻挫した直後には、いわゆるRICE処置というのが今までの王道でしたが、今ではPOLICEというのがスタンダードです。

 

Protection(保護)*サポーターなどを使ったりして再度怪我をしないように!

Optimal Loading(適度な荷重)*痛くない範囲内で体重をかけていきます。

Ice(アイシング)

Compression(圧迫)*弾性包帯などで圧迫します。

Elevation(挙上)*足を下に下げていると腫れが広がってしまうので、できるだけ水平か上に上げておくようにしましょう。

 

ここまではいろいろなところでも紹介されています。

 

しかしガーディアンズでのスポーツリハビリはその後からが出番です。順番にご紹介しましょう。

 

1 関節モビリゼーションでいち早く関節の動きを取り戻すためのスタートを切ります。

 

 

かなりの力で足首の関節が動くために、微妙に関節の動きが変わってしまいます。あとで関節の動きが妨げられないように早いうちに少しでも動きを取り戻す処置をとります。

 

2 外側くるぶし(腓骨)をテープで固定します。

 

足首の外側を捻挫すると、外側くるぶしと足首の距骨を結ぶ前距腓靭帯を痛めることがほとんどです。しかしこれだけでなく、外側くるぶしである腓骨と脛骨とを結ぶ前脛腓靭帯も痛めてしまうことも意外と多いのです。靭帯はとても強い組織なので、捻挫をする時に腓骨も引っ張ってしまい、腓骨の位置が少しだけずれてしまうことがあるようです。この腓骨の位置を関節モビリゼーションで戻した後にテープで固定するとあとでリハビリが楽になることが多いです。足首の曲がりが悪くなるのはこのためであることが多いと考えられます。

 

これはニュージーランドのマリガン先生のテクニックの1つです。日本語版の本も販売されています。

マリガンのマニュアルセラピー

 

3 足首だけでなく股関節の筋肉も鍛えていきます。

 

足首の捻挫の後に股関節の外側を支える筋肉である中殿筋などの殿筋群も鍛えます。人間はバランスを取る時には足首でコントロールしようともしますが、股関節でコントロールしようともします。転びそうになった時に手でバランスをとりながら体を曲げたりするのは股関節でバランスをとっているのです。

 

実は足首を捻挫した後にこの中殿筋が弱くなってしまうことがあります。この筋肉が弱くなってしまうと歩く時にも筋肉の使い方が変わってしまいますし、バランスがとれずにまた怪我をしてしまう可能性も高くなります。そのため改めて鍛える必要があるのです。

 

Fredericson M, Cookingham CL, Chaudhari AM, Dowdell BC, Oestreicher N, Sahrmann SA. Hip abductor weakness in distance runners with iliotibial band syndrome. Clin J Sport Med. 2000;10:169–75.

 

しかし、単に鍛えたからといって股関節の機能が高まるわけでもないようなのです。

 

Patrek MF, Kernozek TW, Willson JD, Wright GA, Doberstein ST. Hip-abductor fatigue and single-leg landing mechanics in women athletes. J Athl Train. 2011;46(1):31–42.

 

Michael B. Pohl, PhD, Karen D. Kendall, MKin, CAT(C), Chirag Patel, MKin, MD, J. Preston Wiley, MPE, MD, Carolyn Emery, PhD, BScPT, and Reed Ferber, PhD, ATC, CAT(C). Experimentally Reduced Hip-Abductor Muscle Strength and Frontal-Plane Biomechanics During Walking. J Athl Train. 2015 Apr; 50(4): 385–391.

 

4 股関節が正しく機能するように、骨盤のアライメントをチェックした上で必要なエクササイズを処方していきます。

 

ガーディアンズでは主にPRIアプローチでのエクササイズ処方をしています。単純に鍛えるというのではなく、筋肉が本来の働きがしやすくなるように、まずそのポジションを整えるようなエクササイズから始めるのです。例えば腕が伸びきっていたら腕相撲では力が出ずに負けてしまいますよね。力の出やすい肘の角度になった時に初めて力が出せるというものです。そうすると筋肉同士の共同作業がよりスムーズにいきます。その後に筋力を上げていくことを目指すことになります。

 

5 神経の働きを促進するために足底板(インソール)を処方することもあります。

 

筋肉が働くためには神経が正常に作動してくれなければなりません。足底板(インソール)はこの神経の働きをよくする効果があるようです。ただ単にアーチをサポートするということではないのです。足底板を使用することによって殿筋群に力が入るタイミングがよくなったりすることが確認されています。

 

Dingenen B, Peeraer L, Deschamps K, et al. Muscle-activation onset times with shoes and foot orthoses in participants with chronic ankle instability. J Athl Train. 2015;50(7):688–96.

 

6 バランスを向上させるエクササイズで神経の働きに磨きをかけます。

 

人間の体のあちこちには様々な情報を感知するセンサーがあります。関節には固有受容器と言われるセンサーが多数存在して、関節のわずかな動きをもキャッチして脳(脊髄)に情報を送っています。この情報に対して筋肉が働くように命令が下されるわけです。関節を怪我してしまうと、この固有受容器も壊れてしまったり働きが悪くなってしまいます。それを取り戻すべく、転びそうになっても転ばなくて済むようにトレーニングしていくわけです。簡単に言うと、日常動作のリハーサルをするわけです。

 

 

以上のように軽い足首の捻挫でもやらなければならないことはたくさんあるのです。あとで別の怪我、特に膝の怪我などにつながらないように、入念に対処することが重要なのです。

 

捻挫して何年も経っていても、実は足首の関節がちゃんと戻っていない、その後別の場所が痛くなった、なかなか足首の痛みがとれないなどという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。今からでも遅くはありません。しっかりとリハビリしていけば大丈夫です。

 

 


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