シンスプリント最新の対処法

2018年03月07日(水)6:24 PM

シンスプリントとは、すねの骨、すなわち脛骨の内側に痛みを感じるときに使われる、何年も前から使われている一般的な呼称です。ランニングを始めたばかりのランナー、新たに部活動に参加して走る量が増えた高校生や中学生などが訴えることが多いです。

 

シンスプリントの原因

 

なぜシンスプリントになるか、昔から多くの研究がなされています。多くの研究者は脛骨の周りにある骨膜が炎症を起こすからだろうと推論しています。骨膜の肥厚、血管分布の増加、骨芽細胞の減少などが確認されているからです。(1)

 

別の研究では、骨そのものにかかるストレスが原因であるとしています。そしてそのストレスがどれくらいかかるかでシンスプリントになったり、疲労骨折になるという結論に至っています。(2)現在はこちらの考えが支持されているようです。

 

もしすねの内側が痛くなってきたら、整形外科を受診してレントゲン写真をとることになると思います。これでもし骨に異常がないと言われたら、まだ疲労骨折に至っていないという意味ととらえてよいと思います。もっと詳しく検査したいというのであれば、MRIを撮ってもらうのがよいようです。これでもし骨折があったとわかった場合は、それ相当の時間をかけて回復を待たなければなりません。

 

 

シンスプリントになりやすいリスク要因

 

ではどういった人がなりやすいのか、そのリスク要因は何なのか、これに関しては過去の研究をまとめたシステマティックレビューという論文がいくつかあります。(3)(4)

 

BMIが高い

 

BMIとは肥満度を表す体格指数で 、体重kg ÷ (身長m)2という計算式で表されます。肥満度の指数なので高いほど肥満を表します。太っているとシンスプリントになりやすいということですね。ただしこれは筋肉で重い選手と脂肪で重い一般の人とでは、同じ体重、同じ身長でもまったく違うものになりますので、考える必要があります。

 

Navicular Drop(舟状骨の下降)が大きい

 

舟状骨とは内側アーチのちょうどてっぺんのあたりにある足の甲の骨で、足首側に距骨、先のほうには3つの楔状骨(その先にはそれぞれ中足骨がつながります)と接しています。この骨の落ち込む度合いが大きいということは、最初はやや高い位置にあって、そこからアーチが低くなるということを意味していますので、本来はアーチがあるが、体重をかけるとアーチがなくなり扁平足のように見える足ということを表していることになります。そういうタイプの足の人がなりやすいということですね。

 

足首の底屈が大きい

 

シンスプリントになる人はそうでない人に比べて足首の底屈が大きいようです。スポーツ現場にいると足首の背屈が出ない選手のほうが多く、それが原因になりやすいのかと思いますが、背屈の低下はシンスプリントのリスク要因とはならないようです。

 

股関節の外旋が大きい

 

いすに座った状態で内旋外旋の可動域を測ってみての結果のようです。内旋の可動域は大きな違いはなくリスク要因ではないようです。

 

 

シンスプリントへの対処法

 

このようなリスク要因があるわけですが、では実際になってしまって困っている人はどうすればよいのでしょうか。いろいろ調べてみましたが、これといった解決策は示されていません。(5)

 

 

しかしながら、まず基本として脛骨にかかるストレスが原因であるので、まずはそのストレスを軽減することが大事です。休む、ランニングの距離、強度などを減らすことが重要です。その上で上記にあげたリスク要因について対策をとるのがよいでしょう。

 

まず肥満度が高いことが要因であるならば、休んでいる間にとりあえず体重を軽くするというのが考えられます。ただし女性の場合や成長期の中高生であれば、特に注意が必要です。痩せることばかり考えて食事を抜いたりするとかえって体調をおかしくしてしまいます。このあたりは気をつけていただきたいですね。

 

また舟状骨の下降が大きいことがリスク要因とあるので、これをバイオメカニカルにサポートする足底板、いわゆるインソールがよいと思います。市販のものでも効果的な場合もありますが、「ずっと使っていたのに」という人は違うものが必要になるということですので、オーダーのものを検討するのがよいと思います。(6)

 

股関節の外旋が大きい、イコール内旋がいかないということではないようです。いずれにしても股関節のコントロールができていないような印象です。ですからリハビリには股関節がどうなっているのかを把握する必要があります。股関節の動きは骨盤のアライメントや骨盤底筋群の活動などとも関連するので、腰の状態とも関係してきます。ですから、現状がどうなのか納得のできる説明をしてくれる、信頼できるセラピストに診てもらうのが一番だと思います。

 

 

ちゃんとした研究はないですが、今まで数多くの選手を見てきた中で、なんとなくなりやすいタイプというのに心当たりがあります。それはアーチの高さに関係なく、足部がどちらかといえば硬いタイプの人です。このタイプの人は踵の骨もあまり動かず、舟状骨の下降もあまりありません。(7)それでも走っている間に足部の真ん中、すなわち舟状骨付近に過剰にストレスがかかっていると思われます。舟状骨が下降しなくて足部全体は内側に倒れるためアーチは下がったように見えます。またつま先は外を向いていることが多く、これも内側アーチが下がっているように見える要因になると思われます。ランニング中は脛骨はかなり斜めに地面に接するため、脛骨が本来の内旋をしていたとしても、脛骨にはかなりのたわむストレスがかかるのではないかと思われます。

 

研究では計測できるものを調べることが多く、足部の質感というものは研究されないことが多いのだと思います。

 

このタイプだと思い当たる人は、必ず足底板を使用した方が早いと思いますバイオメカニカルなストレスがかかる場所を変化させない限り痛みは続くからです。足底板の使用によってストレスのかかる場所が変化するだけでなく、多くの筋肉連鎖に影響があります。足以外の問題はそれから考えても遅くはないでしょう。

 

ガーディアンズではこのタイプにぴったりの足底板があります。既製品でこれに匹敵するタイプのものは国内では見たことがありません。

 

またガーディアンズでは必ず足部の関節可動域をチェックして、個々の関節の可動性を取り戻すように関節モビリゼーションを行います。どこかの関節が動かなければ、それをどこかで補わなければならないからです。それが様々な問題の根本になり得るからです。

 

さらに骨盤レベルでもどうなっているかをPRIアプローチに基づいてチェックしていきます。もし問題があるようであれば、それにアプローチするためのエクササイズを処方いたします。

 

 

様々な角度から検証して、シンスプリントに二度とならないようにすることを目指します。

 

 

おまけ

 

それでもこの試合だけには出なくちゃならないという人のための対処法もなくはないです。それは舟状骨を持ち上げるようなテーピングです。(8)キネシオテープより普通の硬いテープがよいようです。私は競技によりますが、一般的な足首のテーピングをするほうがよかったように思います。でも休んだ方がいいですね。

 

参考文献

 

  1. Bhatt R, Lauder I, Finlay DB, Allen MJ, Belton IP. Correlation of bone scintigraphy and histological findings in medial tibial syndrome. Br J Sports Med 2000; 34(1):49-53.
  2. Beck BR. Tibial stress injuries: an aetiological review for the purposes of guiding management. Sports Med 1998; 26(4):265-79.
  3. Winkelmann ZK, Anderson D, Games KE, et al. Risk factors for medial tibial stress syndrome in active individuals: an evidence-based review. J Athl Train 2016
  4. Hamstra-Wright KL, Bliven KCH, Bay C. Risk factors for medial tibial stress syndrome in physically active individuals such as runners and military personnel: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med 2015;49:362–9.
  5. Debbie I. Craig (2008) Medial Tibial Stress Syndrome: Evidence-Based Prevention. Journal of Athletic Training: May/Jun 2008, Vol. 43, No. 3, pp. 316-318.
  6. Kevin A. Kirby, Current Concepts In Treating Medial Tibial Stress Syndrome, Podiatry Today Volume 23 – Issue 4, April 2010, Pages: 52 – 57. https://www.podiatrytoday.com/current-concepts-in-treating-medial-tibial-stress-syndrome
  7. Reinking MF, Hayes AM. Intrinsic factors associated with exercise- related leg pain in collegiate cross-country runners. Clin J Sport Med. 2006;16(1):10–14.
  8. Kim, Taegyu, and Jong-Chul Park. “Short-Term Effects of Sports Taping on Navicular Height, Navicular Drop and Peak Plantar Pressure in Healthy Elite Athletes: A within-Subject Comparison.” Ed. Nicolas Sculthorpe. Medicine96.46 (2017): e8714. PMC. Web. 7 Mar. 2018.

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