足底腱膜炎に対するガーディアンズ流対処法

2018年04月24日(火)8:58 PM

 

 

ランニングでよく起こるスポーツ障害の一つに足底腱膜炎があります。特にかかとの内側に付着する部分に痛みが強く出ることが多く、朝起きた時の第一歩目が痛くて足がつけないというのが特徴的です。

 

 

原因は今のところはっきりとこれだというものがなく、様々な要因が考えられています。

 

体重の増加

走り過ぎ

足首が硬くて曲がりが悪い

シューズが合っていない

内側アーチが低い

内側アーチが高い

 

などなど、相反する要因も認められています。

 

 

足底腱膜炎を解決するためには、まずどこが傷んでいるのか、そこが痛む原因、要因は何かを把握することが大切です。

 

足底腱膜炎では何が起こっているか?

 足部の前方、中央部に力がかかっていて足底腱膜にストレスがかかっている

 

Chengらの研究(1)は有限要素法というコンピューターのシュミレーションモデルを使った研究ですが、最大ストレスは踵骨内側の近くに集中していて、足底腱膜のストレスは第1列の下でもっとも高いという結果を示しました。これは母趾をを背屈させたりアキレス腱が引っ張る力を発揮した時に特に顕著になったそうです。

ですからそこにかかるストレス、圧力が直接の原因になっているのだろうと思われます。

 

 

Yooらの研究(2)によると、足底腱膜炎の患者は足部の前側、中央部へかかる力(maximum force, N)と、圧力(maximum pressure, N/cm)のほうが踵にかかる力よりも高いそうです。足部の前側に力が加わったら前足部が持ち上がり(背屈)、足底腱膜が伸ばされるはずです。

 

 

なぜ足部の前方に力が加わるようになってしまうのかは、骨盤帯の問題や足部の前足部内反などが原因で重心が前方へ移動しているからだと思います。足底腱膜炎と診断を受けたという方の足裏を触ると、ほとんどが筋肉が分厚く硬くなっているので、おそらく足部の真ん中から前側にかかっている体重を支えるために足裏の筋肉がかなり頑張っているのだと思います。

 

 足底腱膜の柔軟性が乏しい

 

Sahinらの研究(3)では、レントゲンを用いて足底腱膜炎患者とそうでないグループの荷重位と非荷重位とを比較しています。足底腱膜炎患者は荷重によるアーチ高の低下、踵骨の角度、足底腱膜の長さが、痛みのない人と比較して変化が少ない、つまり足底腱膜の柔軟性が乏しいということを報告しています。彼らはそして足底腱膜が硬くなり始めるのがそもそもの始まりではないかと言っています。

 

 

私は、足底腱膜が硬くなってしまっているから足部の関節の動きが低下するのかよくわかりません。むしろ足部の関節が何かしらの要因で動きが少ない、少なくなったために足底腱膜もストレスがかかりやすくなり、そのため硬くなっていくのではないかと想像します。ですから単純にストレッチなどをしてもあまり効果は高くないのではないかと考えます。

 

 

実際に感じてもいますが、足部の関節があまり動かないことが多いです。足首も硬くて曲がらないことが多いです。関節が硬い人はだいたいにおいて足裏にマメができていることが多いです。しかも分厚い感じのものが多いです。通常、人が立てば足裏にはストレスがかかりますし、単なるかかり過ぎなら休めば治るはずです。それがなかなか治らないということは、常にストレスがかかってしまう状況にあるのだと思います。

 

 

しかし、この研究から、アーチが低い人もアーチが高い人も足底腱膜炎になりえるというのが、なんとなく合点がいきます。

 

 踵骨が内側に倒れることはリスクではない

 

Ribeiroらの研究(4)では踵骨の回内について調べていますが、どうやらそれはリスクとはならないようだと結論づけています。つまり踵骨が回内するとアーチが下がるという動きが生まれるはずなのですが、それによっては足底腱膜へのストレスはあまり高まらないということなのかもしれません。

 

 

さきほどご紹介したChengらの研究(1)のように、足底の真ん中に力と圧力がかかっている人に足底腱膜炎が多いということは、この人たちのアーチは下がっているはずです。ということは踵骨は回内しないのにアーチが下がるのか?という疑問が生まれます。

 

 

このようになんだかはっきりしないのが現状ですが、やはり機械的なストレスが足底腱膜にかかって引っ張られていることが一番の原因と考えられます。

 

ガーディアンズでの足底腱膜炎への対処法

 

 

今までの勉強と経験から考えているのは、多くの足の痛みの原因になっているのは足部の関節の動きがちゃんとできていないことにあると推測しています。特に、先ほどの論文とは違いますが、踵骨の動きの制限が鍵になっているとにらんでいます。その制限とは関節そのものと足底腱膜でない足部の軟部組織です。

 

 

人の体はたくさんの関節があり、少しずつ動いてストレスが分散されるようになっています。しかし何らかの原因で動きが少なくなる、もしくは動きがなくなると、どこか別の関節がその不足分を補わなければならなくなるはずです。

 

 

では何をすべきなのか?

 

 

そう考えると、足部の関節がちゃんと動くようにする必要があると思いますし、さらに言えば体全体の関節がちゃんと動いて調和がとれて統合させることが重要なのではないかと考えます。

 

 

ガーディアンズでは、関節を動くように柔らかくする関節モビリゼーションテクニック、硬くなった軟部組織を緩めるリリーステクニック全身がちゃんと動くようにするリハビリプログラムを提供しています。

 

 

 

お客様からよく聞くのは、治療院でタオルギャザーをやるように言われたとか、ふくらはぎのストレッチをするように言われたということです。しかしこれでは足部の関節が動くようになったり、硬い組織が柔らかくなることはありません。

 

 

それ以外に病院で受けられる治療としてステロイド注射や衝撃波治療は効果はあると思います。炎症が治まってきて痛みも軽減することと思います。

 

 

ガーディアンズでは足底板、いわゆるインソールも扱っていますが、こちらも人によっては効果的だとは思います。

 

 

しかしやはり動きを取り戻さないことには、その後はなかなかうまくいかないのではないかと思っています。

 

 

足底腱膜炎はなかなかしぶとくてすぐに痛みは引かないかもしれませんが、あきらめずにリハビリに取り組んでいただければと考えています。

 

 

 

参考文献

  1. Cheng, H.K., Lin, C., Wang, H., Chou, S. Finite element analysis of plantar fascia under stretch-the relative contribution of windlass mechanism and Achilles tendon force. Journal of Biomechanics. 2008;41:1937–1944.
  1. Yoo SD, Kim HS, Lee JH, Yun DH, Kim DH, Chon J, Lee SA, Han YJ, Soh YS, Kim Y, Han S, Lee W, Han YR. Biomechanical Parameters in Plantar Fasciitis Measured by Gait Analysis System With Pressure Sensor.  Ann Rehabil Med. 2017 Dec;41(6):979-989
  1. Sahin, N, Öztürk, A, Atici, T. Foot mobility and plantar fascia elasticity in patients with plantar fasciitis. Acta Orthop Traumatol Turc. 2010;44(5):385-391
  1. Ribeiro AP, Trombini-Souza F, Tessutti V, Rodrigues Lima F, Sacco Ide C, Joao SM. Rearfoot alignment and medial longitudinal arch configurations of runners with symptoms and histories of plantar fasciitis. Clinics (Sao Paulo) 2011;66:1027-33. 

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